最終更新日 2026年10月29日 by daisyw
肩こり用の磁気治療器や低周波治療器を買おうとして、箱の裏に並んだ英数字を見て手が止まったことはありませんか。
「認証番号」と書いてあるけれど、どこを見て何を確かめればいいのか分からない。
そんな声を、売り場で何度も聞いてきました。
はじめまして、新潟市に住んでいる五十嵐美穂です。
ドラッグストアで登録販売者として18年働き、サプリメントや家庭用医療機器の売り場を長く担当しました。
番号を気にするようになったのは、母が地域の健康ショップで高額な治療器を買ってきたことがきっかけです。
それ以来、自分が買うときも家族が買うときも、まず箱と説明書を確かめるようにしています。
この記事では、認証番号が書いてある場所と、16桁の番号の読み方をまとめました。
売り場で私がしていた確認の順番と、番号だけでは分からないことも合わせてお伝えします。
目次
医療機器かどうかは、まず箱の表示で見分けます
「医療機器」の文字と区分の表示を探す
最初に見るのは、番号よりも先に「医療機器」という文字があるかどうかです。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)の医療機器Q&Aによると、医療機器には、本体か直接の包装に「高度管理医療機器」「管理医療機器」「一般医療機器」のいずれかが書かれています。
あわせて、承認番号・認証番号・届出番号などのいずれかも記載されています。
逆にいうと、肩こりや血行に効くような書き方をしているのに、この区分も番号も見当たらない商品は、医療機器ではない可能性があります。
売り場ではここが最初の分かれ道でした。
番号の種類は「承認・認証・届出」の3つ
医療機器は、体へのリスクの大きさでクラスIからIVに分けられています。
クラスによって、国内で売るための手続きが変わり、箱に載る番号の種類も変わります。
| 区分 | クラス | 手続き | 番号の名前 |
|---|---|---|---|
| 一般医療機器 | I | 届出 | 届出番号 |
| 管理医療機器 | II | 登録認証機関による認証 | 認証番号 |
| 高度管理医療機器 | III・IV | 国の承認 | 承認番号 |
家庭でよく使う機器の多くは、真ん中の管理医療機器です。
磁気治療器、電位治療器、低周波治療器、電気マッサージ器、温熱治療器などは、クラスIIで認証の対象になっています。
認証は国ではなく、国の登録を受けた民間の「登録認証機関」が審査する仕組みです。
厚生労働省の「登録認証機関制度について」というページに、現在の機関の一覧が載っています。
認証番号はどこにあって、16桁は何を表しているのか
箱・本体・取扱説明書の3か所を見る
認証番号は、箱の側面や裏面の、製造販売業者名や住所が並んでいるあたりに書かれていることが多いです。
磁気治療器のような小さな商品だと、台紙の裏の細かい文字の中に入っています。
箱を捨ててしまったあとなら、取扱説明書(添付文書)の冒頭を見てください。
家庭用の電気治療器や磁気治療器には、今も紙の添付文書が入っています。
病院で使う医療機器は2021年8月から添付文書の電子化が進みました。
一方で、一般の家庭で使う機器は紙で入れる側に残っています。
売り場の現物で確かめられるのは、消費者にとってありがたいところです。
番号の並びを読んでみる
PMDAのQ&Aでは、この番号は一般に数字とアルファベットで構成された16桁とされています。
認証番号は、ルールが分かるとかなり読めるようになります。
ピップエレキバン130の認証番号「225AGBZX00030000」を例に分解してみます。
| 位置 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| 1〜3桁目 | 225 | 認証された年(2は平成、25は25年) |
| 4〜5桁目 | AG | 認証した登録認証機関のコード |
| 6〜8桁目 | BZX | 認証の種類を表す記号 |
| 9〜13桁目 | 00030 | その年・その機関での通し番号 |
| 14〜16桁目 | 000 | 枝番 |
公表されている認証品目リストを見ると、この商品は2013年5月に認証されています。
「225」が平成25年、つまり2013年なので、ちゃんと一致していました。
「AG」は、三重県にある株式会社コスモス・コーポレイションという登録認証機関のコードです。
令和に入ってから認証された商品は、先頭が「3」で始まります。
2023年に認証されたピップエレキバンワイドは「305AGBZX00029000」でした。
古い形式の番号でも、すぐに偽物とは決めつけない
売り場で戸惑いやすいのが、「21700BZZ00051000」のように形が少し違う番号です。
これは昔、国の承認を受けていた品目が、制度の変更で認証に移ったときの名残です。
リストには、このような「承認からの移行認証」の品目がいくつも載っています。
見慣れない形でも、それだけで怪しいと判断する必要はありません。
売り場で私がしていた確認の順番
お客様から「これ、本当に医療機器?」と聞かれたとき、私は次の順番で見ていました。
自分で買うときにもそのまま使えます。
- 箱に「医療機器」の文字と「管理医療機器」などの区分があるか
- 認証番号や承認番号などが書かれているか
- 一般的名称(「家庭用永久磁石磁気治療器」など)が何になっているか
- 「使用目的又は効果」に何と書いてあるか
- 製造販売業者の名前と住所が書かれているか
一般的名称は見落とされがちですが、大事な項目です。
同じ「肩こり用」でも、磁石なのか電気なのかで使い方の注意が変わります。
心臓ペースメーカーなどを使っている方は、電気や磁気の機器を使えないことがあります。
PMDAの認証品目リストで照合する
番号を見つけたら、本当に認証を受けた番号かどうかを確かめます。
いちばん確実なのは、PMDAが公開している認証品目リストです。
PDF版とExcel版があり、最新版は2026年8月認証分まで載っています。
ファイルを開いて、パソコンなら検索機能(WindowsはCtrl+F、Macは⌘+F)で番号を入れると、該当の行が出てきます。
出てきた行では、次の3つを箱の表示と見比べてください。
- 販売名が、箱に書かれている商品名と同じか
- 一般的名称が、箱の表示と同じか
- 認証取得者が、箱の製造販売業者名と同じか
ネット通販の商品ページは、お店の人が手で打ち込んだ番号が載っていることもあります。
1文字違うだけで別の番号になってしまうので、商品ページの文字だけでなく、手元の箱と公的なリストで確かめるのが安心です。
検索で出てこなくても、慌てなくて大丈夫です
PMDAには「医療機器 添付文書等情報検索」という検索ページもあります。
ただし、家庭用医療機器の添付文書をここに載せるのは必須ではありません。
検索しても出てこないことがあるので、そのときは認証品目リストのほうで探してください。
それでも分からないときは、箱に書かれた製造販売業者に問い合わせるのが近道です。
使い方や効果の相談は、PMDAの医療機器相談窓口でも受け付けています。
番号があっても、説明された効果まで保証されるわけではありません
ここは、母の件があってから特に気をつけている点です。
認証番号は「医療機器として売るための手続きを済ませた」という印で、売り場や会場で語られる話の中身まで保証するものではありません。
2025年11月には、厚生労働省が家庭用電位治療器の販売業者に措置命令を出しました。
この機器は「225AGBZX00014000」という認証番号を持つ、正式な医療機器です。
それでも販売業者は、全国の営業所に設けた体験会場で、糖尿病や高血圧などがよくなるかのような説明をしていました。
家庭用電位治療器で認められている効果は、頭痛、肩こり、不眠症、慢性便秘の緩解です。
これを超える説明は、法律で禁じられた誇大な広告にあたると判断されています。
箱の「使用目的又は効果」の欄と、店員さんや会場の人の説明が合っているか。
番号を確かめたあとは、そこを見比べてみてください。
説明に引っかかりを感じたら、その場で次のように聞いてみるのも一つの方法です。
- 「その効果は、箱の使用目的のところに書いてありますか」
- 「認証番号と製造販売業者の名前を、メモさせてもらえますか」
- 「家族と相談したいので、今日は説明書だけいただけますか」
きちんとした売り場なら、どれも嫌な顔をされずに答えてもらえる質問です。
答えをはぐらかされたときは、その日は契約しないと決めておくと気持ちが楽になります。
体験会場で買ったときの備え
無料の体験会や景品配りから始まり、最後に高額な治療器を勧められる売り方があります。
新潟県消費生活センターの資料(2026年5月末時点の暫定値)でも、2025年度に県内で受けたこうした「SF商法」の相談は、12件すべてが65歳以上の方からでした。
ホテルや公民館などを一時的に借りた会場での販売は、条件によって特定商取引法の「訪問販売」にあたります。
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、訪問販売なら契約書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができます。
一方で、ドラッグストアなどの店舗に自分で出向いて買った場合は、クーリング・オフの対象になりません。
| 買った場所 | クーリング・オフ |
|---|---|
| 一時的な会場・体験会(訪問販売にあたる場合) | 書面を受け取ってから8日以内なら可能 |
| 自宅への訪問販売 | 書面を受け取ってから8日以内なら可能 |
| ドラッグストアなどの店舗 | 対象外(お店の返品ルールによる) |
| ネット通販 | 制度なし(返品特約による) |
迷ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターにつながります。
家族が会場に通っているようなら、一緒に箱の表示を見るところから始めてみてください。
販売している会社も一緒に調べておく
認証品目リストを見ていて気づくのは、箱やチラシに名前が出る販売会社と、認証を取った会社が違うことがよくある点です。
たとえば、東京都港区の株式会社HBSが公式サイトで紹介している電気磁気治療器「マグネテック・プラス」です。
サイトに載っている番号「225ADBZX00026000」をリストで照合すると、認証取得者はアポロ医療器株式会社でした。
「AD」はBSIグループジャパン株式会社という登録認証機関のコードです。
販売会社と認証取得者が違うのは、珍しいことではありません。
ただ、問い合わせ先や修理の窓口がどちらになるのかは、買う前に確かめておくと安心です。
販売会社の名前が短いと、同じ名前の会社がいくつも出てくることがあります。
私も地元の新潟で「ハイエンド」というお店がHBSの商品を扱っていたと聞いて調べたことがあります。
そのとき見つけたHBSとハイエンドについて調べていて行き着いた企業情報のページは、横浜市にある同じ名前の会社のもので、登記はすでに閉じられていました。
社名だけで判断せず、所在地や法人番号まで見比べるのが確実です。
法人番号は、国税庁の法人番号公表サイトで社名や番号から調べられます。
まとめ
家庭用医療機器を買うときは、まず箱に「医療機器」の文字と「管理医療機器」などの区分があるかを見ます。
次に、箱か取扱説明書で認証番号を探し、PMDAの認証品目リストで販売名や認証取得者と照らし合わせます。
番号の先頭は認証された年、続く2文字は認証した機関を表しています。
古い形式の番号もあるので、見慣れない形だからといってすぐに疑う必要はありません。
そして、番号は効果の保証ではないことも覚えておいてください。
箱の「使用目的又は効果」と、売り場や会場での説明が合っているかを確かめるのが、もう一つの大事な確認です。
ほんの数分の確認ですが、知っているだけで落ち着いて選べるようになります。
ご自身の分はもちろん、離れて暮らすご家族の買い物にも役立ててもらえたらうれしいです。







