洋上風力発電とは?風力発電との違いを星野さんに聞く

最終更新日 2024年4月11日 by daisyw

「洋上風力発電って何?」
「風力発電と洋上風力発電の違いについて知りたい」
「洋上風力発電のデメリットは?」

洋上風力発電は洋上、つまり海洋上に設置して発電を行う施設のことで、別名オフショア風力発電とも呼ばれています。
また設置する水深の深さによって種類が異なり、水深30m程度まで、また30mから60m程度までを着床式、それ以上の水深だと浮体式を用いるのが一般的です。
加えて設置にも様々な種類がありますが、基本的にはこの着床式と浮体式に分けられています。
風を受けて風車が回転することで発電する仕組みですが、風車は羽根の部分をブレード、羽根を支えるタワー、そしてその土台で構成されます。
風車の中には増速機とブレーキ、発電機が内蔵されており、これらをナセルと呼びます。

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風力発電所を設置する土地がなくても発電できる

陸上ではなく洋上に設置して発電を行うことから、風力発電所を設置する土地がなくても発電できるメリットがあります。
当然ですが、洋上風力発電を設置すれば相応のメンテナンスが必要になりますから、経済効果に期待が持てるわけです。
部品点数が多いことによるメンテナンスコストと、部品点数を減らす研究開発の課題はあります。
しかし、メンテナンスを避けることはできないので、風力発電に関連する企業にとっては、雇用が生まれるメリットの恩恵が受けられます。
それと、陸上の景観に影響しないこと、逆に洋上に立ち並ぶ風力発電所という新たな景観の観光資源が生まれるメリットが得られます。
洋上風力発電は設置する場所の都合上、効率良く発電できる強みがあります。

実質的に面積を気にせずに設置が行える

しかも大型化しやすい上に、実質的に面積を気にせずに設置が行える、数による発電量のアップが行えます。
言うまでもなく、設置数が増えればそれだけメンテナンスコストもかかるので、実際のところはコストによる制限が発生するでしょう。
とはいえ、陸上の風力発電にある騒音の問題だったり、景観に悪影響を及ぼすデメリットがないのは魅力です。
風力発電は風車の回転によって発電するので、一定周期で発生する音は避けられない問題です。
それも人の耳に聞こえる低周波が発生しますから、気になる人にとっては何としても遠ざけたい騒音となります。
風力発電を洋上に追いやることができれば、騒音の問題はなくなるも同然ですし、何より生活圏と分けられるのであらゆる面で安全性が確保できます。
風車はある程度の強風に耐えられるように設計されていますが、それでも想定を上回る台風が発生すればひとたまりもないです。
タワーが折れたり羽根が落ちる被害のリスクは十分に想定できますし、住民が近くに住む場所では被害の拡大もあり得ます。

海上で発生する風は陸上よりも安定性が高い

このように、風力発電はクリーンなイメージながらも災害時には被害が発生する恐れがあるので、そういう意味で洋上風力発電は安全で理想的だといえます。
海上で発生する風は陸上よりも安定性が高く、結果として安定した発電に伝わるのも見逃せないメリットです。
陸上の風は実はとても不安定で、太陽光発電のように受け身で発電するイメージが強いです。
その点、洋上であれば安定的に発電できますから、発電所としては理想的で陸上と比べて実用性が大きくなります。
強い風が発生すると海が荒れるので、毎年台風被害が発生する災害大国の日本においては、設置場所を選ぶところがあります。
ただし、洋上風力発電は分散して設置可能なので、災害に対するリスクの分散が行えるという考え方もできます。
メンテナンスを含めたコストという課題がありますが、当面は設置に要する費用をいかに抑えられるかが課題となりそうです。
一方では、騒音の発生自体がなくなったわけではなく、場所が陸上から洋上に変わるだけなので、洋上で発生する騒音の生態系に対する影響が懸念されます。

台風などの災害が無視できない

騒音に反応する形で特定の海洋生物が集まると、そこに天敵が現れて捕食されやすくなるといった、新たな生態系の発生もあり得ます。
海に囲まれている日本は、一見すると洋上風力発電に適した印象が強いですが、やはり台風などの災害が無視できないポイントです。
先行するイギリスは設置に積極的で、世界的に見てトップクラスを誇りますが、コストは下がると見られているものの課題がなくなったわけではないです。
つまり、今後コストの問題が一気に噴出する恐れがないともいえないので、後発の日本は様子を注視しながら今後の導入を検討する必要があるでしょう。
そもそも日本は向いているようでいて課題も多く、設置も普及も一筋縄ではいかないです。
ただ、再生可能エネルギーの普及は世界的に避けられない課題ですし、日本も原発の導入が難しい以上は、研究も含めて避けることはできないと思われます。
多くのものを輸入に頼っている日本は、有事の際に輸入が滞ったり制限を受けるといった、潜在的なリスクを抱えています。

まとめ

エネルギーだけでも自国で大部分を賄うことができれば、そのリスクが軽減されますし、有事に対応しやすくなるでしょう。
有事の備えという意味でも再生可能エネルギーの研究開発に取り組む意味は大きいですし、コスト削減に設置やメンテナンスのしやすさといった点に開発や改善の余地があるのも確かです。